この春巣立ち、新しい世界へ羽ばたく子の話です。
***************
初めてお会いしたときは、緊張と不安で顔がくらく表情がなかったことを覚えています。
何回も話すうちに、少しずつリラックスして、途中で出会ったお気に入りの話を目をキラキラさせて語るようになりました。
転機は秋。みんなの前で活躍の場を得、一気に大人になっていきました。
輝く姿が眩しくて、嬉しさと寂しさが入り交じったなんとも言えない気持ちを覚えています。
もう、私がいなくても充分やっていけると言うには早いけど、かなり仕上がってきた冬。
そして、春。キミは新しい世界へ飛び立ちました。苦しみと「狂い」の世界から見つけた何かを胸に。
****************
この方は、稀に見る順調さで元気になっていったのですが、後半特に、「人の成長への指向」「底力」を見せてもらいました。
人間ってすごいんだな。素直にそう思わせてくれました。
最後に、「まだまだ不安もあるだろうけど、大丈夫」。そう確信をもって伝えました。
節目があると、成長や旅立ちって分かりやすいのですが、本当は日々変化し成長していくのが私たちです。
時々見せてもらう命の煌めきに、懐かしいような元気づけられるような気もしますが、今ここの私たちこそ輝いているのだと思います。
思春期ほどは分かりやすくないですが、青年でも中年でも壮年、老年でも、共に命を燃やして生きていこうではありませんか。
そんな気持ちを感じた、春の始まりです。